月刊 野宿しようぜ

凛メンバーブログ

スーパーカブと野宿しようぜ!最終夜~酒盛りはお風呂の後で~




パンクを修理した俺とスーパーカブは、
バイク屋に別れを告げ、費用4000円を支払い旅に復帰した。


気分は爽快。


あの憂鬱や不安が嘘のように、
無くなった俺は、一路飛騨高山へ向かう。


もう、何度も訪れている高山。

まさかの今年二回目。


小さいバイクなので、狭い市内も楽々。


高山ラーメンを食べに、市内のラーメン屋へ。

店の前にガッツリ停車。

カブは、歩道に駐車する事でかなり絵になる。

そのまま、ラーメン屋に入り、炒飯とラーメン大盛を注文。

店内は外国人ばかりで、1人ラーメンを啜る音が響く。


三味線が響く店内。

バチの音に合わせながら、軽快にラーメンをすする。

和太鼓に合わせながら、炒飯をリズミカルに口に運ぶ。

この旅3回目の鉄板コラボ。

思えば、各地の名物など食っていない。

唯一、高山ラーメンくらいなものだ。


レッカーの宇崎竜童似の運転手との会話を思い出した。



「なんで、バイクで旅をするの?バイクで行く目的みたいなのがあるとか?」


「いやあ~……なんでしょうね……
たぶん、走りたいだけなんですかね……バイクでひたすら」


「車じゃ、駄目なの?」

「駄目じゃないです。ただ俺の場合、バイクじゃなきゃ駄目なんだと思います」


「へぇ~……」


「上手く言えないんですけど、バイクしかないとか、自分で決めつけてる訳じゃなくて、
色んな乗り物を経験して、結局はバイクじゃなきゃって、思っているだけで」


「ただ、バイクで走りたいってだけなんです」


「大きいバイクだったら旅も楽じゃないの?」


「う~ん……確かに楽ですね。山が多いところなんかは特に。
高速も乗れますし、追い越しも楽だし……」


「小さいバイクよりも時間も掛からんし、大きいので走れば良かったんじゃないの?」


「う~ん……確かにそうなんですよ。
でも、小さいバイクには小さいバイクの良さがあって、遅かったり登らなかったりしても、バイクはバイクで……
もう、その非力さで旅をする俺カッコイイ!みたいな、苦労を満たしたい自己満足の話ですから(笑)」


「(笑)なんか、俺も乗ってみたくなったわ(笑)」


みたいな会話をしたのだった。


高山ラーメンとか、関係無いけど、
名物を食べたりするのも旅。
ただ、バイクで走り回るのも旅だ。


だから、何かをしなきゃとか、あまり拘らない。

時間を楽しんで、知らない場所を楽しんで、
天気や気候や道や景色を楽しんで、
それが旅をするって事だと思う。


悪い思い出も、いつかは良い思い出に変わるように、
旅とは楽しむものだ。


ラーメンを平らげ、炒飯を食い尽くし、呆然と見る外国人の視線を釘付けにし、
金を払って店を出る。


全てが頭で描いた通り行動できたときの達成感は、かなり気持ちが良い。

高山の喫茶店、氷菓でもお馴染みの「バクパイプ」さんへ向かう。


ヨーグルトと、ウインナーコーヒーが
言うなれば最高かつ、至高だ。


市内をブラブラ歩き、飛騨駄菓子を食べてから、今夜の宿泊地、平湯バスターミナルへ向かう。


途中、赤カブが名物のドライブインでお土産を購入。


次いでに今夜のお酒の供として、唐辛子赤カブの漬物も買ってみた。


後に食べたのだが、これ、絶対にオススメだ。

沢山買えばよかったと後悔した。


久々の大ヒットお土産だった。



平湯バスターミナルでは、前にも書いたが日帰り入浴出来る施設があり、
雨に怯えること無くテントを張れる場所もある。

トイレも綺麗で、何より夜はとても静かだ。


上高地、立山連峰であるため、星が!
星が想像を絶する美しさだ。


で、テントを張り終えて温泉から帰ってくると、
一台の車が停車していた。

どうやら、この穴場が気になっていたらしい。


中年の夫婦と犬一匹。

そして俺と言う珍妙な組合せで、
一夜の夜会が催される事になった。


俺は赤カブとバーボンを提供し、簡易のすき焼きをご馳走になる。


二人は夫婦で各地を車で旅していると言う。

車中泊して、温泉に入り、自炊しながら旅を続けていた。


彼等の話で興味深かったのは、

「人生、一度きり。だったら旅をしたい」

と言う事だった。


同じ様な事を考える人も居るんだなと思った。


色んな話をした。


仮に、日本を動かすような人物だったとしても、
旅をしている場所では、そんなものケツを拭く紙にも及ばない。

酒を飲むと武勇伝の如く過去の栄光をひけらかす奴も居るが、
大切なのはそんな眉唾物な話ではなく、
今この地面から何を見て感じているかであって、
人間本来の野性と感受性で、本当は凄いんだぞと言う虚勢を脱いだ姿だけが、
旅に愛されている証明だ。

そして、それを感じたときに初めて素の自分で人と接して、濃密な旅の時間を共有できる。



やがて睡魔に襲われた俺は、
朝から起こった様々な事象が、遥か昔に起きた出来事の様に、
感じながら意識が遠退いていった。


眠りが浅くなったとき、テントの外は雨が降っていた。

標高1700mに位置する平湯は、
真夏であっても中々夜は寒い。


上着を着て、布にくるまる。


「…………旅も、いよいよ終わりだなぁ~」

と、呟きながら、

雨音と共に眠るのだった。




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  1. 2016/08/23(火) 23:35:25|
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プロフィール

凛

Author:凛
雷都・栃木県宇都宮市を中心に活動しているバンド「凛~Linn~」

愛と平和
そして何ちゃねぇことや、どうでもいい唄を、アルコールとけむりの似合うサウンドに乗せ、誰かに「ありがとう」を
って言われるようなステージを目指し活動チュ~

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